松浦祥子
新型コロナウイルスの「第5波」の感染拡大が続く中で迎えた帰省シーズン。JR新大阪駅(大阪市淀川区)の新幹線下りホームでは7日、スーツケースを引く人や大きな荷物を手に乗車する人たちが目立った。
息子2人を連れて新幹線を待っていた兵庫県宝塚市の会社員女性(42)は、1年半ぶりに両親の住む島根県に帰省する。ネットで購入した抗原検査キットでは、家族全員が陰性の結果だったという。帰省できなかった間に2歳の次男は歩いたり、話したりできるようになった。「外出自粛と言われるが、いつまで続くのか。きりがない」と帰省を決めた。「コロナは心配だが、会えない間に親が亡くなったという知人の話を聞いて、そっちの方が後悔すると思った」
親族の法事で地元の大分県に向かうという大阪市西淀川区の梶原安雄さん(84)は、6月にワクチン接種を終えたといい、「あとは自分で気をつける以外に無い」と話した。新型コロナの感染拡大前には、高校の同級生らと酒を酌み交わすのが楽しみだったが、「今回はあまり声もかけられないな。こればっかりは仕方ない」と肩を落とした。
JR東海、西日本によると、7日朝の新大阪発新幹線の自由席乗車率は、東京行き上りが最大30%、博多行き下りが最大100%だった。お盆期間(6~17日)の新幹線指定席の予約状況(7月19日時点)は、昨年と比べ、東海道新幹線が96%、山陽・北陸新幹線が100%とほぼ横ばいで、新型コロナの影響がなかった一昨年と比べると、8割減となっている。(松浦祥子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル